あぁ。
私は、御祖父様に、感謝しなくてはならないんだわ。

「姫君様、こちらへどうぞ。」

私よりも十分、身分の高そうな女房が私を御祖父様の前に案内した。

「御祖父様のお邸、広いわねぇ。」

声に出したはいいが、実際はうちの方が広かった。

ただ、置いてある調度品の一つ一つが豪華絢爛である。

「いいなぁ、お母様は…………」

こんなお邸で、娘時代を過ごすことが出来たなんて。

羨ましい。
嫌というほど、羨ましい。