咲いた徒花

『叔母様………の諱?』

えぇと、崇子様じゃ、ないの?
御祖父様がそう仰っていたけど。

『燕鼎。』

えんてい?
燕鼎様?

『では、もしも困り果てました際は、燕鼎様、そう呼べば宜しゅう御座いますのね、叔母様。』

そう私が言うと、叔母様はニコリと微笑んでから、美麗なる衣を翻して、背を向け、去って行く。


目が覚めたとき、私の枕元には、祝福の言葉と、『我が父君を、頼みましてよ』と、文が置かれていた。