咲いた徒花

『何処?』

何だか、分からない場所に、どうやら私は居るらしい。

少し進んで行くと、川に橋が掛かっていて、その橋の向こう側に女人が立っていた。

『誰で御座いますか………。私は、青丹と呼ばれる者です。』

何となく、礼儀だと思うたので、先に名乗っておいた。

『青丹殿。』

澄んだ声。
優しそうな、知らない人。

『私のことは、皆、葵と呼びました。貴女も、御存知ですよ。』