「聞きたいことはそれだけかしら?…いい加減弟子にしてくれないと泣いてやるかしら…」





ぐすりと鼻をすすり、嘘泣きをはじめ手で顔を覆う。



指の間からちらっとみればルイは分かりやく動揺していた。



あともう一押しかしら。




「もう一人は寂しいかしら…。だから弟子にしてほしいかしら…」




しばらく沈黙がつづいたあと、ルイが口を開いた。





「………わかった」



初めて勝ったかしら。



「じゃあ、早く契約するかしら」


パッと顔を上げて笑顔でそう捲し立てる。


ルイは微妙な顔。



「謀ったな?」



「なんのことかしら?」



「泣かれるのは弱いんだ……」


「それは御愁傷様かしら。男に二言はないかしら?」



「……あぁ」




ようやく第一関門クリアかしら。