【長完】Keeper.l

「里香ちん?何それ?」

質問をしてきたのは、うまく現状を把握出来ていないお姫様だった。

お姫様の隣でも、永富がキョトンとした顔をしている。

たとえ髪が藍色でも、女顔の永富がやると可愛らしかった。

十勝に視線を向ける。話すべきか、話さぬべきか……。頷き、自分を指さしたこともあり十勝に一任する。

「千歩宛に、果たし状が入っていた。」

「「果たし状!?」」

「驚くのも無理はないよ。俺も見て、え?この時代に?って思ったからね。」

目をまん丸にしてパチパチさせる2人に対して、時友がフォローを入れる。

それ、フォローになってるの?

「しかも、三日後と行ってくるくらいだから相当な準備をしなきゃなんねーぞ。」

「困ったな。」

「ご、ごめん。私のせいで。」

「別に、千歩のせいじゃないよ。」

わー、お綺麗な世界だ。ひとりが自分を責めちゃって仲間が否定する。在り来りだなぁ。

時間を確認したのか、唐突に金髪が

「このままだと遅刻するぞ。」

そう告げる。

「放課後、この女が倉庫に来しだい作戦立てるでいいんじゃねぇの?」

「そうだな。じゃあ、昼休みに屋上で。」

解散する流れになったところで、

♪キーンコーンカーンコーン

無情にも遅刻が確定した。え?不良なのに授業出るのかって?

先代よ、先代。AとCのクラスには元暴走族の人達が担任としている。だから、遅刻すると怒られるのだ。

武本先生も、その1人。だから、永富が焦り始めた。

暴走族って、何故か上下関係に厳しいよなぁなんて考えながらお姫様と永富について行った。






【果たし状:松浦 千歩

3日後の放課後、空き教室で待つ。】

カサリ、手紙が音を立ててカバンの中で揺れた。