【長完】Keeper.l

封筒を並行にして一般的な開け口の方とは反対の方を、鞄の中からハサミを取り出して切る。

「何してるの?」

『んー?ん。大丈夫のようね。』

便箋を取り出し、封筒を下駄箱に置く。

つまんで封筒を持ち上げた金髪が、そういうことか、と呟く。

「輝、分かったの?」

時友を一瞥してから、金髪が解説を始める。

「実際にカミソリレターとかだったら開け口の方(最後に封をする方)ににカミソリとかカッターの刃とかついてるだろ?

危ないから、下の方から切って確認すんだろ。」

『よく知ってたわね。』

私も、教えてもらったから。

そう言うと少し目を伏せた金髪。

「兄貴に教えて貰ったんだよ。」

『そっか。』

兄貴、ねぇ。

そう言ってる間にも、便箋を開きざっと目を通してから十勝に渡す。

私と同じように、目を通した十勝が

「おい」

声を掛ける。

ちょうどいいタイミングで、永富とお姫様が戻ってくる。

十勝が、総長として口を開く。




「これは少しだけ、めんどくさそうだ。」