お姫様の反対を押し切って、扉を、開けようとする私とそんな私の腕にしがみついて必死に止めようとするお姫様。
『開けるだけでしょ?離して、千歩。』
「ダメ!ダメ!」
『なんで?』
この言い合いに、何人かの人達が何があった?というように見物し始める。
仲のいいクラスメートを見かけたのか、話していた永富もようやくこちらに気づいたようだ。
『千歩、なんでダメなの?理由なんてないでしょ?』
「だ、だって!!」
『だって?』
問い詰めていけば、あうあうと、戸惑ったように目を泳がせるも何かを決めた決意をした。
これで開けるの許してもらえるかしら?ていうか、たかが履き替えにどれだけ時間食ってるのよ。
「だって!!」
『だって?』
「私、実はこの中にエロ本隠してあるんだもん!!」
『ふーん、エロ本か。
って、え?』
「え、エロ本だもん!!同人誌だもん!!」
少なからず、ギャラリーがいる前でこいつ、何言ってるの?
てか、
『そんなもの、こんな狭い所に入るわけないでしょ?』


