【長完】Keeper.l

支度をして、街中を歩いている昼下がり。繁華街というものは夜はあんなにも危ないというのに昼になればそんななりを潜める。

まぁ路地裏なんかは危ないのだけれども、そこに入り込まない限りは普通に地元民も歩いているような場所だ。

「さて、どうしたものかしらね。」

騙し討ちのような事をして日銭を稼いでいるのだ。事情をくんでくれ何もせずホテルに泊まらせてくれるような人もいるがそんな人はよっぽどレアだ。

体格があまりがっしりとしていない人。簡単に締め落とせそうな人。抵抗されても問題ない人。

もちろん、お金を持っていそうな人。

ゆっくり視線を左右に振っては見るも地元民のような家族しかいない。今日はダメね、なんて思いながらため息をついた。


「あ、君!」

『……は?なにっ、?』


グイ、と思いっきり後ろから腕を掴まれ、引かれた。反射的にたたき落とし距離をとる。

人通りが多いから、後ろから誰かが近づいてきても警戒は持てないだろ。反則だ、油断した、なんて思いながら構えて見上げれば藍色の髪。


『あ、朝の……』

「君だよね!?ホテルの時でしょ!?返してよ!僕の5万円!」

しらばっくれようと戸惑った顔を作りながら、状況を確認する。藍色の髪の男がプンスカとうなる。横には4人。男3人に女が1人。茶髪にメッシュ入りの男、金髪の男、茶髪にメガネ、茶髪ボブの女……茶髪多いな。

『5万円……?ちょっと、なんのことか』

「なんのことか!?!?嘘でしょ!?てか僕昨日ホテル言ってからの記憶ないんだけど!」

『そんなこと私に言われても……』

嘘です、普通に取りました。記憶がないのは私がお前を沈めたからです。