『あーあー。』

よし、ついてる。

『後ろの人、聞こえます?』

人数が多い。目がチカチカする。

手を振ってくれたり、その場でぴょこぴょこしてる奴がいるため見た感じ的には聞こえているようだ。

緊張?全くそんなものは無い。寧ろ、高揚で胸がドキドキしている。

やっぱり、みんなの前に立って指示をするのが好きだ。

______私の隣に寄り添ってくれていた【あの人】は、今、いないが。

『私の名前は、紫陽 里香。

たいそう偉くないのに、上からものをいうのを許して欲しい。』

ここで、一旦区切る。息継ぎ息継ぎ。

『ただ、私は“姫”ではなく“居候”のため、ただ守られてる訳にはいかない。

何かをしなければならない。ブレーンとして働いてもいいが、時友が居る。

それなら、私に出来ることはなんだ?と思い、ここには戦闘員として置いてもらいたい。

抗争の時は、みんなと戦いたいと思う。』

そういった瞬間、ザワザワとする。まぁ、そうだろう。こんな小娘が、だ。


だけど……。