「ねぇ、里香ちゃん。」

『……ん?』

彼女の瞳は、泣いていることにより潤ってはいたけれど晴れていた。夏のカラカラに乾いた空気のように。綺麗に先まで見透せるのではないかという程にその茶色の瞳は澄んでいた。

「晴れてるね。」

『晴れてるよ。』


_____もう、過去は断ち切ったよ。



そう、言いたかったのだろう。

千歩が離れようとしているので力を弱める。そうすれば彼女は笑った。



「里香ちゃん。わたしとお友達になってください。」

初めて、だ。仲間はいた。だけど、友達はいなかった。千歩が初めての友達であり、神龍にいる私の仲間。

何故かくすぐったい気持ちになる。

答えはもちろん。

『うん、お願いします。』

千歩が嬉しそうに笑うから、私も釣られて笑顔になる。

「ブフワァッ!!」

そうしたら千歩が鼻血を吹いたので慌ててティッシュを鼻にねじ込んだ。どうしよう、友達にする人の選択間違えたかもしれない。

そうか、それが世の中の女子がいう友達作りが難しいと言うやつなのだと実感した。




そうして、夜は更けていく。微睡んで泥のように人々は星降る夜の下で眠るのだ。