【長完】Keeper.l

「小説のキャラでいつも寝てるやつっているよな。お前、それじゃね?」

面倒くさそうな顔をして先を歩き出す金髪に、

「待ってよ〜輝、一緒に行こうよぉ〜」

永富が追いかけて隣に並ぶ。

「お前、俺たちとクラス違うじゃねぇか!なんで一緒に来んだよ。」

「ん〜、何となくぅ?」

「はぁ?」

あの二人は仲がいいのだろうか、そこが何気に1番謎な気がする。

「里香ちゃん、無理しなくていいからね?」

時友が優しく笑いかけてくる。

それは、足でまといになるなよ?って事の牽制?

『大丈夫よ、元気だから。

やらなかったら、私がここにいる意味が無いでしょう?』

私のいる意味は、お姫様を守ることだ。守ることが出来なければ意味が無い。

一瞬あっけに取られた表情をしていたけれど、そっか、と笑って時友も歩き出した。

「行こ?里香ちゃん。」

お姫様が私の腕に絡みつく。……パーソナルスペースが狭い子だと、歩きづらそうだと思ったがまぁ、気にしないことにした。