『わぁお。』

思わず、声が出る。

だって、人、想像以上に多いもの。

神龍の見物客か…、はたまた、100%ないと踏んでいたが、十勝の目的同様イヌオ君とやらに逢いに来た人達……か。

どちらにせよ、私には理解できない。


『取り敢えず、私、ロッカー行ってくる。』


金髪と十勝にロッカーの鍵を翳して説明すれば、了解、と頷かれた。


1人で歩いていく。

気配を消して、人の波をするすると抜けていった。

誰も私に気がつくことは無い。


『えっと……、南口の所のロッカーだから、……こっちか。

あ、あった。』

お目当てのロッカーに辿り着いた。

迷わず鍵を差し込む。

ああ、方向音痴じゃなくて良かった。こんな人多かったら迷いそうだ、なんてぼんやりと考えていた。

だってKでは、緑メッシュで特攻隊長の大灯が双子の兄の統牙によく襟首掴まれて引きずられていたから。

まぁ、大灯、馬鹿な上にちょこまか動く。そのくせして方向音痴だから。