昇降口を通過し、車が止まってあるという裏門に行く。

私と金髪が会話をすることは無かった。

何となく、ね。

なんか、話しにくい気がして。まぁ、私はそんなこと気にしないタチなので。

どちらかと言えば、黙ってる方。

金髪もきっとそれなのだろう、と1人で解釈をした。

あんたの兄貴は、よく喋る方だよ。

でかくてゴツめのフルスモークの車が見えて足を止める。

十勝が助手席にいるから、私は後ろだな。


「…何してんだ。早くしろ、馬鹿女。」


金髪が乗った扉が開いているということは、隣に座る、でいいのだろう。

……いいのよね?こいつ、女嫌いらしいけど。

……女嫌い?か?

まぁ、いいか。なんでも。

金髪が開いたままの状態にしてある扉を潜り隙間を開けて隣に座る。

運転手の人は若そうなスキンヘッドで、とても、堅気の人には見えなかった。

堅気の人、ね。

ミラー越しに目が合い微笑まれたので、作った笑を向ける。

車は音もなく滑り出した。