ガラララララ、

1年 A組の扉が開かれる。

もちろん、当たり前だけど。

そこにいるのは私が会いたいと渇望してる【あの人】なわけがなく。

落胆してる自分に吐き気がした。


『十勝は?』


「もう、車にいる。早く来いよ、馬鹿女。」


ドアの前に立っていたのは、相澤だった。


『車に居るって…。迎えに来るって言ったの十勝のくせに。』


「お前なら、分かるだろ。」


『……まぁね。』


総長様がほいこら歩くのは危ない、と私には伝えてるのだろう。

だけど、相澤が言ってるのは、ほかの役職のことも指している。

大方、気がついていないと思っている…だろうが。

教室を出て、階段を下る。



________タン、タン、タン、タン。

相澤は私の1歩前を歩いていて。

私が下れば、当たり前だが、呼応するように相澤も下る。

決して、近づかないような。平行線みたいだった。








聞きたい。

聞けない。








逆に、聞かれたくない。

気が付かれたくない。






相反する、思考。








トプトプと、その思考は沼にハマり。溺れ。

表面に上がってくることはなく。




黙って、2人で歩き続けた。