毎日毎日繰り返される嫌がらせ、浴びせられる鋭利な言葉…
心はとっくに限界だった。



でもお兄ちゃんの無実が証明されるまで…それまで死ねない。

私が死んでしまったら、お兄ちゃんの無実を信じる人が、この世に1人もいなくなってしまうから…

そんなの耐えられなかった。



「お兄ちゃん、こんな役立たずな妹でごめんね。
私…お兄ちゃんが悪く言われても反論しないんだよ。

無実だって証拠を見つけ出すこともできない」



いつだって、写真の中の兄は、優しく私を見つめ返してくれる。

だけどその視線さえも、辛く感じた。


「ごめんね…ごめんねお兄ちゃん」




お兄ちゃんが私にくれた最後の誕生日プレゼントを握りしめながら、寒い部屋の中で今日もひとり眠りについた。