◇◇◇


「蓮、次のターゲットだ。
久しぶりの上玉だからな。VIP達も非常に楽しみにしている」


「…ああ」


俺にいつも情報を持ってくるこの男は高田というらしいが、本当の名前かは定かでない。
ここはそういうやつがゴロゴロいる。



俺は高田に指定された女のスマホにいつものようにハッキングをかける。
それと同時に、小型カメラの電源も起動させた。


俺の仕事は、容姿が整った女のスマホをハッキングし、スマホを通して生活を監視することだ。
他にも、高田たちの手によってターゲットのカバンに仕掛けられた、超小型カメラを通して監視する。


そうして手に入れた映像や情報を、VIPと呼ばれるクソみたいなジジイたちに売り渡しているのだ。



こうすることがいいことだとは思っていない。
だが、これ以外に生きる道を俺は知らないんだーーー