そんなやり取りの後、全員乗り込んだところで馬車が動き出す。


もちろん逃げ出した馬は連れ戻した。



皆疲れはてていて、何も喋らない。



馬車の揺れが傷のある体に少々堪え、アレンやレイ、ギルクやイルは少し眉をしかめた。



しかしクナルも疲れているので治療は頼めないのだ。




「………帰ったら、まず治療と休息をとりましょうね」


怪我をしているアレン達を見かねて、ニーナがそう言う。


マケドニスは痛みはまだあるが怪我自体は治っているので、その間俺が城に連絡などをしますとアレンに告げた。


















ゆっくりと、馬車は聖堂に向かっていく。


ついさっきあった激しい戦いを忘れさせるような、のどかな森の中を通って。




その戦いが未来に起こるあることのはじまりとなっていたことなど、この時のアレン達は知る由もなかった。





もちろん、神であるファンリュジョンも───…。