「アレン様!飲まなきゃダメです!」

「…嫌だ殺す気か?」

「良薬は口に苦し、です!」

「クナルと同じこと言うな」


はい?とマケドニスが怪訝そうに目を細めた瞬間、王座から抜け出し逃亡を図るアレン。

しかしすぐに藍色の髪が目の前に現れ、がっしり捕まってしまった。


「ほら、動きが鈍いですよ!飲んで下さい!」

「…この服が邪魔だからだ!何でコレ着なきゃ駄目なんだよ」

「それが正装です!教皇様に会うんですから、きちんとするのが当たり前というものでしょう!!」

「じゃあこれは着とくからその薬は…」

「駄目です、飲・ん・で・く・だ・さ・い!!」


そんな言い合いと共に繰り広げられる攻防戦。


王の間の両脇に待機している数人の臣下達が呆気にとられていたが、そんなことは気にしない。




そうこうしているうちに大きな扉が開き、そこからレイとギルク、イルが入って来た。


その後ろには全てが真っ白な女性───サリルナ教皇の姿がある。