【短編】あなたとの距離、近くて遠い


「いいの? さっきの看護師さんと話さなくて」

 不思議そうに私を見て、母さんは言った。

「いいの。もう退院するんだから」

 私は母さんに言い、私達は駐車場にある車まで歩き始めた。

あなたは近くて遠いのに、なぜかあなたと話したくて、いつも話しかけていました。

あなたは近くて届きそうなのに、届かない。

 患者と看護師の関係は変わらないのに。

 でも、あなたのことが好きでした。

 あなたが私の初恋の人でした。