【短編】あなたとの距離、近くて遠い


「お世話になりました」

 そう一言だけいってから、エレベーターを来るのを母さんと待っていると、誰かの声がした。

 それは、久保田さんだった。走ってきたのかはぁはぁと息切れをしていた。

「…久保田さん」

 目の前に久保田さんがいることに、驚きつつ、呆然としていた。

「退院できてよかったですね。あと、なにかあればまたこの病院に来て下さいね」
 初めて会った日と同じ声のトーン。

笑って相手の気持ちを理解しようと話しかけてくる姿勢。

どれも好きです。