「あれって……」

「ゾンビだな」

 人間じゃなくてもいいらしい。

「寄生して何をするんだろう」

「普通は繁殖とか行動範囲を広げるとかだよな」

「ああ、カタツムリとかハチに寄生するやつみたいな」

 ロイコクロリディウムだっけか。

 あれに寄生されたカタツムリはなんだか異様な触覚をしている。

 夜行性から昼行性にして、わざと鳥に食べさせるってやつだ。そして鳥の腸で成虫ジストマになる。

 いやそんなことを思い出してる場合じゃない。

「食べるってことは、栄養を得るためだ。小さいのが二匹いたと言ったろう」

 モリスの言葉に俺たちはピンとくる。

「あ、もしかして子ども?」

「単体で繁殖が可能なのか」

「もしくは、二匹のうちの一匹はオスかも」