大輔と話ながら電車に乗り込む。
なんだかんだ二人で仲良く家路についていた。

『あ』

ふいに大輔がオレから視線を外して何かに釘付けになっていた。
振り替えると私立の制服を着た長い黒髪の女の子が立っていた。

『ん?知り合い?』
『あ、いや、別に』

そういうと大輔は話の続きに戻った。
その時はたいして気にも止めていなかったが、その日から違和感を覚えることになる。


毎日大輔と帰ってるオレは時々大輔が上の空になるのに気がついていた。
最初はなんだコイツ人の話聞かないでとイラついていたものの、大輔が上の空になるときは必ず同じ車両にあの黒髪の女の子が居た。

最寄りに着いたため大輔と別れて電車を降りる。

『ははーん、分かったぞ』
『うわ!』

ここで知り合いに合うと思っていなかったのでふいに後ろから肩に腕を置かれて声を掛けられたことに心臓が跳ねる。

『ありゃあ、電車で会うあの子に恋してるな』
『やっぱりか!』
『おー、間違いない』
『いや、オレも怪しいと思ってたんだよ!』
『あの子どこの学校なんだろうな』
『んー、私立っぽいけど』
『ちょっと調べてみるか!じゃあ行くわー!』
『え、そこまでしなくても!』


………………………

いや、だから誰なんだよ!!!