『なー、瑠璃垣って付き合ってるヤツとかいんの?』
『ヤダ!ゆうちゃんってばボクのこと気になるの!?』
『いいからさっさと答えろよ』
『もー、ゆうちゃんのい・け・ず』
『早く言えよ』
『ボクが付き合うのかー、考えたこともなかったよ』
『いないってことだな』
『そういうことだね』
『普通に答えろよ』
『そうそう!龍泉寺くんのこと調べたんだけど』
『おお』
『龍泉寺くんの南ちゃんはぬまぐっちーのようだね』
『南ちゃん(タッチ)ってそれ伝わんのかよ』
『いぶし銀な龍泉寺くんは中々尻尾を出してくれなくてねー、好きな子探し出すのに苦労したよ』
『しかし、ややこしいことになったな』
『そうだね。これは今までで1番難しいかもしれないね』

こいつ沼口先輩に好かれてること自覚してんのかよ。

『野球部が交際禁止だなんてねー』
『えええええ!まじで!?』
『ん?そのことじゃなかったの?』
『い、いや!そう!知ってた!』
『ふーん?』

難しすぎだろ!
龍泉寺先輩は沼口先輩が好きで
沼口先輩は瑠璃垣が好きで
野球部は交際禁止だなんて!
どうやって結びつけろってんだよ!

『その、交際禁止を作ったヤツに撤回させればいいんじゃないか?』
『うーん、それは難しいと思うのよね』
『なんで』
『龍泉寺くんが作ったルールなんだな、これが』
『……!』
『そうなっちゃうと龍泉寺くん自身が破るわけがないしねー』
『まて!オレにいい考えがある!』
『ん?』
『これには瑠璃垣!お前の協力が不可欠だ!』
『な、なんだろうゆうちゃん、ちょっぴり怖いね』