あの全員集合事件から数日が過ぎた。
あれからオレの思考は迷宮入りでどこから手をつければいいのかすっかり混乱してしまっていた。

みんなが保健室にオレの様子を見に来なかったのは瑠璃垣が断ったからだと後から聞いた。
一時は薄情者共と憤ってしまったオレだが、直接文句を言わなくて本当に良かった。

あの日、オレが倒れている間に瑠璃垣が色々動いていたようであのときのメンバーに無理矢理連絡先を交換させていたようだった。
一応は縁結びの神様だったもんな。

あげく瑠璃垣は沼口先輩の連絡先もちゃっかり入手していたことに驚く。
ざけんな、よこせ。

放課後瑠璃垣に強引に繁華街に寄り道させられた。
なんなんだよ、と言うとゆうちゃんが中々動かないから一個仕掛けといたと嬉々として言ってくる。

意味が分からず黙って瑠璃垣に着いていくと、蛇沢さんと戸塚くんが二人で歩いていた。

『えええーーーっ…!もがっ』
『しっ!騒がないの!』

瑠璃垣に口と鼻を塞がれる。

『んばっ!苦しいわ!』
『あ、ごめんごめぇん』

悪びれもせずヘラヘラする瑠璃垣。

『なんであの二人?』
『近々で予定が合ったのはあの二人だったから、みんなで遊ぼって呼び出してドタキャンしてみたのぉ』
『なっ……!』
『まあまあ、見守ってみようよ』