『瑠璃垣選手、これは完全にややこしいことこの上ないですよ』
『そうですかい?結人選手』

小声で瑠璃垣に話しかける。
だってそうだろ?
今、全部整理してみると

伊藤さんと大輔カップルは収まるところに収まった。
ここまではいいとして

橋本さんは西野が好き
西野は堀越さんが大切だという
堀越さんは蛇沢さんが好きっぽい
蛇沢さんは千葉さんが好き
かくゆう千葉さんは龍泉寺先輩に夢中のようだ。

『よくもまあこうも一方通行で片想いが続いていくもんだよ、全く』
『おいおい、ゆうちゃん、一ヶ所間違えてるよ』
『は?どこがだよ』
『ここ、ここ』
『ん?蛇沢さんは千葉さんが好き?』
『そ。蛇っちは戸塚くんが好き』
『………は?』
『ん?』
『ナニヲイッテルノカナ?』
『だから蛇っちは戸塚くんが』
『いやいやいや!男だよ!?』
『うん、男だね』
『ないだろー!それは…』
『どうして?』
『い…やぁ…考えたことも無かった……』
『えー、ボクはゆうちゃんの堀越ちゃんが蛇っちを好きって方がびっくりしたけどなぁ』
『そうか?確かにあの堀越さんが西野以外に恋するのは意外だったけど、男同士の衝撃に比べれば…』
『男同士?蛇っちのこと?』
『ん?』
『蛇っちは女の子だよ』
『………!?』

バッと勢いよく蛇沢さんを見る。
スラリ背が高く相変わらずのイケメンぶりだが、カフェの制服の時は分からなかったがほのかに胸の膨らみがあるような……

『ええええええええええ!!!!!』