あれから伊藤さんと大輔は晴れて交際を開始したようだった。

『なー、どうして伊藤さんと付き合うことにしたんだ？』
『な、なんだよ急に』
『だって大輔、橋本さんのこと好きだっただろ』
『あー…そうだったか？』
『は？』
『いやぁ、なんか橋本さんのこと好きだったのか橋本さんのおっぱいが好きだったのか自分でもよく分かんないんだよねー』
『！』

瑠璃垣の言った通り大輔は橋本さんのことが好きだった訳じゃなかったんだ。

『じゃあ、伊藤さんのことどうして急に好きになったんだよ！』
『は？な、なんだよ、さっきから』
『いいから答えろよ！』
『そ、それは…』
『それは？』
『結人がドタキャンした日、佳菜子と偶然会ったんだよ』

それはオレがお膳立てしたからな。

『そんとき、あれこの子こんなに可愛かったっけ？って急に思ったんだよ。そしたらなんか心臓が変な感じになって、あれ意外とおっぱいでっけぇなって気づい…』
『いや、結局おっぱいなのかよ！』
『あはは』

どこまでもクソみたいな男だな。
笑顔じゃなかったのかよ、瑠璃垣！