このアイドルどっちが好き?って聞いたらよりおっぱいの大きい方が好きだといい、おっぱいの大きさが同じくらいの子の写真を見せればより露出度の高い方が好きだという。
色々リサーチすればするほど結局大輔の頭の中はおっぱいしか無かった。

まじでどうすればいいんだ……
イメチェンした伊藤さんに少なからず興味を抱いたような気がしていたが、そこから中々進まない。

例えば大輔とどっかに出掛けて伊藤さんと偶然を装って合流。
そのまま一緒に遊ぶとかどうだろう。
でもその時どうアシストすれば仲が深まるんだろうか…


ブーブー

FROM:伊藤佳菜子

その後何かいい作戦はありそうですか?

――――――――――――――――

うお、噂をすれば伊藤さんからメールが…
どうしよう。

『ちょい貸してみ』
『うわ!』

後ろから携帯を取り上げられる。
スイスイと勝手に人の携帯を慣れた手つきで使いこなす。

『出たな、不審者』
『ヤダ!ゆうちゃん!不審者だなんて!』
『オレのストーカーだろ。不審者以外の何者でもないだろ』
『もう!ゆうちゃんのお願いを叶えるために頑張ってるっていうのに!不審者呼ばわりはひどいやい』
『名前とか知らないし』
『名前?』
『うん』
『名前かぁ』
『ないの?いやそんなわけないか』
『前にも言ったけど神様って呼びかけられたりするけど…あ!瑠璃垣!』
『るりがき?』
『そうそう書いてあるんだ!』
『どこに?』
『奉ってあるとこ』

そういえば神社にお参りした時に瑠璃垣って書いてあるのを見たかもしれない。
瑠璃垣神社って言うのか。

って、まだコイツのこと神様とか信じた訳じゃないけど。

『じゃあ瑠璃垣って呼ぶわ』
『え!ほんとに!?』
『うわ』

ガバッと両手を捕まれ瑠璃垣はキラキラとした目を向けてくる。

『な、なんだよ』
『ボクの名前なんだろ?』
『は?お前が言ったんだろ』
『へへ、呼ばれたのは初めてだったから』
『…ふーん』
『名前があって呼んでもらえるって嬉しいもんなんだね』

瑠璃垣は溢れんばかりの満面の笑みで、背後にお花の幻覚がみえてしまうほどに喜んでいるように感じられた。

『はい、これ』

ポンと携帯を渡された。

『伊藤ちゃんにはボクがメールしておいたよ!』
『え!』
『じゃ、行くわー!』
『あ、ちょ!おい!』