一通りの手伝いを終えたオレはおばあさんにお茶を入れていた。
自分の家じゃそんなことやったことないけど、ここんちのお茶の入れ方は完璧だ。

『ほい』
『ありがとう。ゆうちゃんのお茶はいつも美味しいわぁ』
『へへへ』

おばあさんとお菓子を食べながら他愛のない話をして帰るのが定番の流れだった。
今日は久しぶりの恋バナだった。
女はいくつになっても恋バナが好きらしい。

『ゆうちゃんは中々彼女が出来ないねぇ』
『な!いや、こっからっすよ!』
『好きな子はいるの?』
『え、んー、ま、あ?』
『そうなの!』
『う?うーん』
『だったら!ここの角に公園があるでしょ』
『うん』
『あそこの裏手に神社があるの知ってる?』
『へ?あんなとこに?』
『あら、知らないの?あそこはね、縁結びで有名な神社なのよ』
『へー!そうなんだ』
『帰りに行ってみたら?』
『うーん、そうだねー』
『きっとすぐに素敵な彼女が出来るわよ』