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「うー・・・」
西山はゆっくりと目を開けた。

「ここは・・・何処だ?」
長い長い廊下に、西山は倒れていた。

周りを見回して立ち上がる。

「・・やけに暗いな」

それもそのはず。

長い廊下には1メートル間隔にロウソクが1本置いてあるだけだ。

どれぐらい歩いただろうか?先の方に人の列が見えた。

「おーい、ここは何処なんだ?」

西山は駆け寄りながら訊いた。

すると、列の一番後ろに並んでいた男が振り向いた。
「俺にも分からないんだ。ただ、皆が並んでるから俺も並んでる」

そう言うと、男は前方を指差した。

大きな扉がある。

「一人ずつあの扉の中に入るらしい。・・・出てくる人はいないけどね」
「え?」
「中で何をするのかは分からない。まー、入ってみれば分かるよ」

と、男はまた前を向いてしまった。

「あのー」

突然背後で声がして振り向くと、若い女が立っていた。

「ここは何処なんですか?」

「え?」

「あたし、いつの間にかここにいたんです」
と、女は不思議そうに言った。
「あたし、大石晃子(おおいしあきこ)っていいます」