恐ろしいほど近く聞こえた男とも女とも子どもとも年寄りとも付かないその声と、警笛と、衝撃音。
テレビ画面はその後、ブツン、と音を立てて電源が落ちた。
手元を照らす光は外の電灯だけになってしまった。
酷く呼吸が荒い。
ズッと鼻を啜って、目元を拭って、俺は縫いぐるみを探した。
部屋にもないと諦めを付けるとコップを持って、部屋を出ると、俺は一階へと降りて台所へと向かった。
台所の扉を開き、刹那。
足元を光が掠めて、咄嗟に俺は半歩後ろへ下がった。
コップの中の塩水が揺れる。
バクバクと煩いくらいになる心臓がやけに響いて、呼吸が荒い。
視線で光のあった場所をゆっくりと辿ると、台所の入り口にある柱に真新しい、刃物で付けた傷跡が残っていた。
飲み込みそうになる塩水を、必死に押さえる。
何処だ、
何処に居る…!?
見渡して、台所へと脚を踏み入れる。
細心の注意を払って、物音を立てずに。
外の光が照らす部屋の中、その光の道が歪に動いた。
数歩下がってみれば、それは、あの、豚の縫いぐるみだった。

