ひとりかくれんぼ《都市伝説》



「次は、サチが鬼」



そう言って、縫いぐるみにナイフを突き刺したまま、俺は風呂場の浴槽のドアを閉めて、最初に隠れていた階段下の倉庫へと隠れた。


相変わらず濃いその深い闇は闇を纏った人間が密集しているようで息苦しい。


異常な音で血液を送り出す心臓の音がやけに煩くて、この音だけでも、見つかってしまいそうだ。


此処からはサチが俺達を探して歩くといわれているが、結局ネットで調べたがよくわからなかった。


ただ、二時間以内に縫いぐるみを探しに行かなければいけない。


出るときに塩水を口に含んで出ること、出たら何があっても塩水を吐き出したりしないこと。


縫いぐるみにコップの塩水を掛けて、口の中の塩水を掛けて「○○の勝ち」と自分の勝利を三回唱える。


そして、終わったら、仏間に行くようにと昭彦に言われた。


そこは四方に塩を置いていて、複数で『ひとりかくれんぼ』をするときには絶対に必要な待機場所らしい。


そんなことを教えられた。


…二時間以内という事は、直ぐに行って終わらせてもいいのだろうか。



恐ろしいほどの静寂と、重たい闇の中、微かな物音も聞き逃さないようにと無意識に耳に神経が集中する。


隠れている時は、物音を立ててはいけないとされているので、俺は微かに動く時も、神経を研ぎ澄ませ、物音を立てないようにと集中した。