俺の思考はその不自然さの原因に気づいた。
しかしそれは、気づかない方が幸せだったかもしれない、事実。
誰もいない部屋で、自分は何もしていないのに、音だけが消え、テレビの中の人間は変わらずに声も出さずに笑っていた。
もう一度確かめた時、そこに何があるのか。
シン、と静まり返る、その異様な部屋。
誰かが、瞬きもせずにジッと此方を見つめている気がして、背中からは厭な汗がブワッと溢れ、奥歯が激しく鳴った。
ナイフを握り締める手が汗で滑る。
早く終わらせないと、ダメだ。
これは遊びなんかじゃない。
遊びなんてものじゃない。
俺はドアを勢いよく開けると薄暗がりの廊下をバタバタと駆け下りて一目散に縫いぐるみの元へと向かった。
風呂場のドアを開いて、先ほどと変わらぬ、異様な姿をしている豚。
腹に詰められていた米は昭彦に刺された傷口から零れ落ちたのだろう、洗面器の中に幾つか散らばっていた。
「サチ、見つけた」
俺はナイフを豚の脚に突き刺して、言った。
両親の寝室で隠れている昭彦に聞こえるように、続ける。

