耳を疑った。
子どものような、それでもたどたどしくない、粘り気のある、声。
確実に、笑いながら放たれた、言葉。
振り返ってはいけない気は確かにしているのに、身体は思いに反して確認しようとゆっくりと、背後を確かめようとする。
自分の脚から、ドア、その隣のCD棚、デッキ、自分の真横にあるタンス、そして唯一光を放つ、テレビ。
そこでは、相変わらず若手の漫才師が相方にツッコミを入れたりして、笑っていた。
不自然だった。
何が不自然なのか、暫くわからなかった俺はゆっくりと立ち上がりながらただ呆然と、テレビを見つめていた。
気のせいだろうか。
そう思って、ドアへと向き直り、ノブに手を掛けた瞬間。

