部屋の目の前で、立ち止まる昭彦。 大きく開け放たれたままのドアに、立ち止まる要素など何もない。 顔を上げて、問う。 「…どうしたんだよ」 昭彦はガタガタと震えながら一点を見たまま、動かない。 今度は、何があるんだ。 俺は、部屋の中を見渡す。 なんて事のない、散らかった、部屋。 「何もねぇじゃん…」 「違う…」 昭彦は、言った。 「アイツ、…座ってる」 言われて、俺は誰かなんて直ぐに気付いて、目は無意識に、向かう。 アイツと呼ばれた、豚の縫いぐるみ。