俺達が放つ音とは、また別のところで、それでも酷く近い場所で、その音は鳴った。
まるで、雨が水溜りに落ちるような、それにしては重量感のある、音が。
何処かが雨漏りしているのかと思ったが、生憎今日は曇り。雨が降っている気配はまだない。
何処から聞こえたのだろうかと辺りを見渡して、震える声が、
「稔………………」
声のするほう、昭彦へと目を向けて、その昭彦の視線の先、洗面器へと、目を向けた。
ポチャン、と落ちてきた、それは、
あの独特な滑(ぬめ)りを帯びた、白い、
眼球。
濁ったその黒かったはずの部分が、水の中を泳いで、此方を、向いて。
『…ソロッタ…』

