「大丈夫だって、何もこねぇよ」
「そういう問題じゃなくて」
俺は昭彦にどう説明してやろうかと考えあぐねた。
下手に怖がっていると指差して笑われるので、何とかいい方法を考えようと必死に頭を回転させる。
しかし、俺の頭の回転よりも昭彦の悪知恵が働く方が早かった。昭彦の提案は
「んじゃ二人でやろうぜ」
と言うものだった。
一人より二人の方が多少心強くはなるけど、俺はそれでも気乗りしなかった。
俺には悪魔祓いとか、そういった才能はないので取り憑かれた時の対処法が塩くらいしかないのだ。
だが、その塩もあまり効き目がないと言われている。
「そういう問題じゃないっつの」
「いいじゃんいいじゃん、用意は俺がしておくから!今夜丁度家族も慰安旅行でいないし」
そういって昭彦は無理やりまとめ込むと、「さーて帰ろう!」と勢いよく立ち上がり伸びをしてバッグを担いだ。
どこまでもお気楽と言うかマイペースで頑固。
それが昭彦のいい所であり、悪い所でもある。
俺の意見や、意思とは裏腹に、立てられた予定はすぐに迎える事になった。

