誰もいなくなって、それでも語る話は尽きなくて、俺と昭彦はこの日もさして重要度の高くはない会話をしながら暇を潰していた。
そしてふと、思い出したように昭彦が『ひとりかくれんぼ』について、問いかけたのだ。
その内容を言い出した昭彦は何度も話を脱線させながら『ひとりかくれんぼ』の詳細を教えると、その顔に笑顔を浮かべて、言った。
「やろうぜ、稔!」
「バカ、そういうのはなー手を出さないに限るんだよ。ヤバイ目にあったらどうするんだよ」
「ビビってんのかよ」
「ビビってねぇよ!」
茶化す昭彦に言い返しはしたが、半分ビビってるのもあると思う。
わざわざ得体も知れないものに喧嘩を売りに行くようなことはしたくない。
そもそも、人形に自分の爪を入れるなんて…。
まるで丑の刻参りに使う藁人形に、憎む相手の髪の毛を入れているようなものだ。
幽霊を信じるか信じないかは別として、俺はそんな子供だまし、それにしては悪質なその儀式に参加するのは御免だ。
頑なに首を横に振る俺に昭彦は少し不満そうな顔で抗議する。

