奥に進んでいくと、人の気配があった。
「晴流?連れてきたの?」
誰?
不安げな顔をしていたらしい私の顔を見て、晴流は
「親友。晴恋も覚えてるでしょ?桃音(モモネ)。」
微笑しながら私に言う。
「あ!桃ちゃん!?」
そうだ。思い出した。
あの頃、ずっと一緒に居てくれた桃ちゃんだ。
「そう、桃。同じ高校に入学してたの。びっくりだよね。わざわざこんなところに来てくれるだなんて。」
「わざわざとか言わないでよ。両親の二人は自由に選べって言ってたからね。自由に選んだよ。」
そんなに晴流にことが好きなんだ。
ちょっと嫉妬しちゃうな。
その言葉が声に出ていたらしい。
桃ちゃんに笑われてしまった。
