廊下を走らないでください、の張り紙を横目に晴流に追いつくために走る。

「晴流!どこ!?」

必死に走っていると、名前を呼ばれた。

「晴恋。こっち。」

静かな、でも透き通って響く声。

すぐにわかる。晴流だ。

「晴流!やっと追いついた!」

息をハアハアさせながら言う。

「大丈夫?」

心配そうな顔をしながら言う晴流はとても可愛い。

「大丈夫だよ!晴流、どこに行くの?」

そう聞くと、こっち、と言って手を引かれた。

手を引かれて入った先は、視聴覚室だった。

静かで過ごしやすそうな場所で、晴流が好きそうな場所だ。

「静かだね!」