「さぁ、ここだ。」


そう言って男が止まったのは奥にある部屋の前だ
少女はゴクリと唾を飲み込むとドアを開けた



「…ぅ、わぁ…」


「どうだ?すごいだろう。
俺達が何ヶ月もかけて集めたんだ。」


「どうやって集めたんですか?」


キラキラした目で見てくる少女に警戒心などとうに消えていた男はペラペラと話す。


「実はな…密輸だよ。
外国から拳銃を買ったんだ。日本じゃあ、持ってたら捕まるがな!!」


「ほんと大変だったよなー。
いつ見つかるかってヒヤヒヤしたぜ。」





「…でも、それも今日で終わりですね。」


突然声のトーンが下がった少女に男達は驚く



「どういうことだ?」


「ふふっ、…今の会話録音させてもらいました。これを警察に提出したら貴方達は確実に捕まりますねぇ。」


「……てめぇ!!騙しやがったのか!!」


「騙される方が悪いんですよ。
じゃぁ、さよーなら?」



そう言って少女は踵をかえす。


もちろん男達がそれを許すはずもなく
殴りかかってきた。



「ふっざけんじゃねぇー!!!!」


「はぁ、叫ばないと喧嘩もできないの?」



そう呟いた少女の声は誰にも聞こえない。

男は少女に殴ろうとしたが、突如少女の姿が消えた。



「っな?!」


「こっちですよ?」



動揺した男はすぐに反応できなかった。


ただしゃがんだだけなのに。

そのすきを見逃すはずもなく少女は蹴りを入れる。



「ぐはぁぁっ!!!」