「あ……あの!」

「あぁ!?」

やばい…!?

とてつもなくやばい!!

「もう除き見たりしませんから!だから、見逃してくださいぃー!!」

私は、あまりの怖さに震えていた。

「……。はぁ。別に怒ってねぇよ。そんなことより、なんでお前敬語なんだよ!」

「え……?だって、年上ですし…。」

「はぁ!?お前本当に覚えてねぇの!?俺、お前と同い年だけど。」

「……え?」

私は、今の言葉が信じられず頭の中が混乱した。

「ちなみに、昔のお前は仁人って呼び捨てで呼んでたけどな!」

「そうだったんですか……。うぅ……。私、昔の記憶がなくて覚えてないんです

よ……。」

「……!?」

仁人さんは少し黙ってしまったが、その瞬間さっきまで暗い顔をしていたのにいきな

り二ヤリッと笑みを見せ何か企んでそうな顔をしていた。

「本当だよ!俺対応に困ったよ。」

「うぅ…ごめんなさい……。」

その時、仁人さんはこの言葉を待ってたかのように悪戯気に笑いこう言った。

「そうだ!今から、ため口で話そう!そして、仁人って呼び捨てで!」

「え!?無理無理無理!!絶対無理!!」

すると、その言葉にイラッときたのか仁人さんは私をベットに押し倒した。

「そんなこと言ったら襲っちゃうよ?」

「!?!?わ……分かり…分かったよ!!ひ…仁人……。」

すると、仁人の顔が近すぎてあまり見れなかったけどあの時一瞬嬉しそうに微笑んでたあの表情が頭

から離れなかった。

「じゃ…じゃあ、おやすみなさい。」

「うん!お休み!」

そう言い、私は仁人の部屋を後にした。

「記憶がないか……。でも、その方がいいかもしれない……。」

そう呟いた仁人は、机に向かい引き出しから一枚の写真を取り出した。

その写真には、幼い頃の私たちが楽しそうに映っていた。

その記憶を、やがて私も思い出すことになるとは思わなかった……。