「あ…あの。ありがとうございます……。あっ!そうだった!」

私は、男の子達の方へ行きボールを渡した。

「はい!どうぞ!」

「うん!ありがとう!……ところでお姉ちゃんここらへんじゃ見かけないね!どこから来たの?」

「えっと……東京からだよ。」

「え!?そうなの!?」

男の子たちは、少し目をキラキラさせていた。

「東京ってどんな所?町とか大きい?美味しいものとかあるの?」

「え…えっと…。」

そんないっぺんに答えられないよ。

「おい!いつまで俺を放置する気だ!!」

私を受け止めてくれた男の人は、突然強い口調でしゃべりだした。

「あっ!すみません。」

「お前、なんでこんなところにいる?」

「え…?今日からここら辺に住んでるいとこの家でお世話になる者なんですが、迎えに来ると言って

もなかなか迎えに来なくて……。ずっと、待ってるんです。」

男の人は、びっくりした表情でこちらを見ていた。

「お前まさか……。姫香か!?」

「え……!?どうして、私の名前を……!?」