どうしよう…!

思わず逃げちゃったけど、こんなのすぐに捕まるよ…!!

私体育の成績1だし!!

私は後ろを振り返ると、険しい顔で豹変した仁人が追いかけていた。

「ご…ごめんなさいぃぃぃぃ!!」

「そう思うなら止まれ!!」

そうしたいけど……、絶対怒られる!!

そう思うと足が走るのをやめなかった。

「もう、どうすればいいの!?……て、あれここ何処…?」

「やっと止まったか…!!」

そう言い、仁人はもう私に追いつき肩を思いっきり掴んだ。

こ…殺される……!?

「まぁ、手間がはぶいたからよしとするか!」

「え…手間がはぶいた……?」

すると、仁人は前を指さした。

そこには、大きな桜の木があった。

その場所を私を見た瞬間だ、記憶が流れ込んでくるようないきなり小さな男の子二人を思い出した。

何か言ってる……?

「これは、約束の……場所?」

「!?思い出したのか?」

すると、いつの間にか私の瞳からは頬を伝って涙がこぼれていた。

これは、私の記憶がすべて思い出した瞬間だった。

そして、私たちがようやく再開できたかのように嬉しそうに桜は風に揺れだす。

「うん。思い出したよ…!やっと……会えたね…!」