翌日になると、仁人は先に家を出た。

歩幅は大きく、みるみる仁人の背中が見えなくなった。

「……?どうしたんだろう…?」

私は、昨日の事が気になってろくに眠れなかった。

「うぅ…、放課後まで耐えられるかな……。」

「おっはよー!!姫香ちゃん!!」

そう言い、後ろから走ってきた彩ちゃんが私の背中にダイブしてきた。

「ゴフォッ!!いったー…!!彩ちゃん朝からダイブはきつい……!」

「でも、嫌なことは一瞬忘れたでしょ?」

「!?」

「だって、顔に出ちゃってるもん!悩みが隠しきれてない顔!」

そんなに顔にでるものだと改めて理解した私は、少しショックだった。

まさか、そんなに周りにバレほど自分は弱い人間だったということが……。

「よぉし!今日は放課後どこかに寄ってお茶でもしよう!」

「あっ!ごめん!今日、放課後用事があって……!!」

「大事な用?」

「え……!?なんで、分かったの!?」

はっ……!

つい声に出してしまった…!!

「それなら、全然大丈夫だよ!てか、用事があるときはちゃんと言ってね。私気づかないから!」

そう言って、彩ちゃんは私の横を歩き途中から一緒に学校に向かった。

「彩ちゃんは…ちゃんと私に気づいてくれたよ……?ありがとう…!!」

その言葉を聞いた時彩ちゃんは、私に飛びついてきた。

「なんて可愛い子なんだ!!女神さまだ!女神さまがここにいる!」

「ちょっ……!?声が大きい…!!」

そう言い、私の登校時はとても賑やかで少し気持ちが楽になった。