世界が色づくその瞬間

家に帰ってきた私たちは、無言のまま家に入った。

「じゃあ、私夕飯作るね!」

少しでも場を明るくしようと私は強気に笑った。

私は、手を洗いまな板と包丁を出し野菜を切り始めた。

包丁で野菜を切る音がリビングに響き渡る。

野菜を切るのに集中していた私は、後ろからやってくる仁人に気づかなかった。

そして、仁人は私を後ろからギュッと抱きしめた。

「え…!?どうしたの……!?」

聞いても、仁人は何も答えず私を強く抱きしめる。

なんだか小さな子供みたい……。

私は、仁人の頭をソッと撫でた。

「なんで、撫でるの……?」

「だって…、なんか甘えてるみたいだっかから…つい…。」

仁人の顔を見たとき、少しふてくされた顔をしていた。

「そんなことしても、何も出ないぞ……!!」

そう言い、仁人は顔を真っ赤にして照れていた。

「ふふっ…。可愛い。」

そして、その場の雰囲気は一気に和み仁人の顔がさらに赤くなった。

その時私は気づかなかった、自分がどんな顔で笑ったのかを……。

それは、その場にいた仁人しか知らなかった。