翌日、目が覚めると、隣にいたはずの明希ちゃんの姿はもうそこにはなかった。


いつの間に帰ったのだろうか。

全然気づかなかった。


というか、それより。

……やってしまった……。


私は昨夜の一連の流れを思い返し、ベッドに横たわったまま顔を両手で覆う。


「昨日の私、なに……」


昨日はもう思考が一直線で、自分の行動を鑑みる隙もなかった。

だけど今考えてみれば、なんてことをしたのだろう、私……。


普通じゃありえないことばっかり口走ってた。


それに、キス、したよね、明希ちゃんと……。


記憶も、唇の感触も熱も、憎たらしいくらいに全部鮮明に覚えてる。


……明希ちゃん、すごく色っぽかった。

知らない男の人みたいで、胸がどうしようもなく揺さぶられた。


耳が熱を持っていることに気づき、そんな熱の逃がし方なんて知らない私は、額に腕を乗せ、ぎゅっと下唇を噛みしめた。