朝、相変わらず昴は女の子に囲まれている
「どうしたの?青木を見つめちゃって」
隙を探そうと昴を見ていると
渚にそんなことを言われ、ドキッとする。
「…いや。よく女の子達飽きないなぁって」
私は思ってもいないことを言ってしまう。
今の私は、あの女の子達の1人になりたいのだから
もし昴が1人にならなかったら
もう諦める
一人暮らしの方が私的には快適でもあるし
気を使わなくて済む。
なんて考えながら
私は授業を受けた。
昼休みになると、みんなぞろぞろ動き出す
私達も、お昼を食べるために渚と食堂へ行く
食堂には昴もいた。
1人で。
今しかないと思ったのか
何故だか勢いで
「昴」
そう呼んでしまった。
タイミングがいいのか悪いのかわからないけど
ちょうど私の声とかぶせるように女の子達が来て
すんなりと私の声は消えた。
でも
一瞬昴と目があった気がした。
でも、昴は私がいないかのように
いつも通り女の子達と話す。
…気のせいか
私はそう断念し、渚のところへ戻りお昼を食べる。

