「そーいやどこ行く」

『は?考えてなかったの?』

「おう」


そう呑気に話す彼に疲労感が増し深い溜め息を吐いた。


『あのさぁ、さっきから人の事を振り回してくれてるけど何が目的なの?昨日は急に告白して来たかと思ったらキスしてきたり…色々と意味が分からないんだけど』


佐野は電柱に寄り掛かりながら煙草を吸っている。

一々腹立つなぁ。


「お前に対して特別な感情は持ち合わせてねーよ。ただ面白そうだなって」


そう言って首を傾げた佐野にイラっとする。


『はぁ……やっぱ私アンタの事嫌いだわ』

「仲間じゃん、俺もお前の事嫌い」



そう言って笑った佐野。




「まあクズ同士仲良くしよーぜ?」




その一言が、私の糸を交じらせた。