【まりなside】
塾長先生が去り、
先生は授業を再開した。
「さて、授業の続きしますかね(笑)」
「は、はい」
「で、どこまで問題の解説したんだっけ?」
「あ、えっと…ここの…」
「あー、はいはい。了解了解。
邪魔者がきたから、
ついついどこまでだったか
忘れちゃったわ(笑)」
「いやいや邪魔者って(笑)」
「え?誰が邪魔者だってー?」
廊下から低い声で
そう言って、また現れた塾長先生。
「え、何の話です?」
先生は、とぼけた。
「さっき、邪魔者が
どうこうって言ってたでしょー?(笑)」
と、塾長先生。
「いやいや。
そんなこと誰も言ってませんよ。
ねっ、?」
私に同意を求めてきた先生。
先生と目を合わせられたことが
嬉しかった。
ついつい、
嬉しさのあまり…
「はい、誰も」
と、私は笑顔で塾長先生に
そう言ってしまった。
「怪しーなあ。
後藤先生、あとで僕のところね(笑)」
「な、なんでですか(笑)」
「え?冗談、冗談(笑)
授業頑張ってくださーい。」
そう言って
塾長先生は去っていった。

