今日は雨。

朝の天気予報を見て、ため息をつく私。

横にはそんなことお構い無しにトーストにかじりつく、妹。

いつもよりゆっくりと歩いて学校に着くと、
もうすぐチャイムが鳴る時間だった。



「遅かったじゃん」



私に声をかけた隣の席の男子は
このクラスになってから仲良くなった。

ふわりと微笑む彼は、
いつ見ても整った顔をしている。



「雨だから」



それだけ答えて席に着く。



窓に打ちつける大粒の雨に、少し昔のことを思い出す。

私が8才くらいの時だった。